最近よく聞く「生成AI」って、一体何なのでしょうか?ニュースや授業でも登場するこの言葉ですが、実は私たちの身の回りにどんどん使われ始めているすごい技術なんです。ここでは、授業で少しだけ学んだことがある高校生向けに、生成AIの基本的なしくみ、種類、使われている場面、そして注意しておきたいことをわかりやすく解説していきます。さらに詳しく知ることで、将来の勉強や進路選びにも役立つかもしれません。
生成AIってどんな技術?
生成AIとは、コンピュータがたくさんのデータを学習して、それをもとに新しい文章や画像などを作り出すことができる人工知能のことです。たとえば「猫の写真を描いて」とお願いすると、本物の猫のような画像を作ってくれたり、「夏休みの思い出を書いて」と入力すると、文章を自動で書いてくれたりします。
このAIは、ただ真似をしているだけではありません。学習した内容を組み合わせて、まったく新しい表現を作り出すことができます。だから「創造するAI」とも言われるんですね。
従来のAIは「分類する」「判断する」ことが中心でしたが、生成AIは「何かを作る」ことに特化しているのが特徴です。絵を描いたり、音楽を作ったり、小説のアイデアを出したりと、人間のクリエイティブな作業を助けてくれる存在になりつつあります。
どんなしくみで動いているの?
生成AIは「ディープラーニング」という深い学習方法を使って動いています。大量の文章や画像を読み込んで、「こういうときはこういう文章が出てくることが多い」といったパターンを覚えていきます。これは人間が本をたくさん読んで知識をためるのと似ています。
AIに質問やお題(これを「プロンプト」と言います)を与えると、学習した内容からそれに合った答えや作品を作ってくれるのです。たとえばChatGPTは、大量の文章を学習して、人間のような自然な会話ができるAIです。
生成AIが作る答えは、学んだ内容をもとに「次に来る言葉や形」を予想して選んでいくという仕組みでできています。だから、まるで人と話しているような自然な返事ができるんですね。
代表的な4つの生成AIモデル
生成AIにはいくつかのモデル(しくみの種類)があり、それぞれ得意なことが違います。
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GAN(敵対的生成ネットワーク):リアルな画像を作るのが得意で、まるで写真のような顔や風景を作れます。ジェネレーター(作る役)とディスクリミネーター(見分ける役)の2つのAIが競い合いながらレベルアップしていきます。
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VAE(変分自己符号化器):少しずつ変化するような画像を作るのが得意です。たとえば、ネコからイヌへなめらかに変わるような画像を作れます。新しいパターンの画像もスムーズに生み出せます。
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拡散モデル:最初はノイズだけの画像を、少しずつきれいにしていって、リアルな絵に仕上げるしくみです。最近人気の「画像生成AI」の多くがこのタイプです。
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Transformerモデル:言葉や文章の理解と生成に強く、自然な会話や翻訳、要約などが得意です。ChatGPTやBardなどのAIチャットがこのモデルを使っています。
どんなところで使われているの?
生成AIは、私たちの生活のいろいろなところで使われています。ここではいくつかの例を紹介します。意外と身近なところで役立っているんです。
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チャットボット:お店やサービスの問い合わせに自動で答えるAI。24時間対応できるのが便利です。スマホのサポートアプリにもよく使われています。
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広告やSNS:商品の紹介文や投稿内容を自動で考えてくれるツールに使われています。AIが書いた文章とは気づかれないくらい自然なこともあります。
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医療の現場:レントゲンの画像を補助的に読んだり、新しい薬の候補を探す手助けにも活用されています。医者の仕事をサポートする大切な役割を果たしています。
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お金のやりとり(金融):詐欺の可能性がある行動を見つけたり、お客様に合ったサービスを提案したりします。AIがリスクを早めに察知することで安心につながります。
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教育や勉強:要点をまとめてくれたり、宿題のヒントを出してくれるアプリも出てきています。授業の復習やテスト勉強にも使える場面が増えています。
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プログラミング:コード(プログラム)を自動で書いてくれるAIもあり、初心者のサポートにも使われます。プロのエンジニアも使っているほど便利です。
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アートや音楽:絵を描いたり音楽を作ったりもできます。AIといっしょに作品づくりを楽しむ人も増えています。
生成AIの良いところ
生成AIには、たくさんのメリットがあります。
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作業を早く終わらせられる:文章や画像を自動で作ってくれるので、時間の節約になります。忙しいときにも助かります。
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アイデアを出すサポートになる:何かを考えたいときにヒントを出してくれます。作文やデザインのネタにもぴったりです。
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人それぞれに合わせた情報をくれる:好みに合った商品や音楽をおすすめしてくれたりします。AIが自分だけのアドバイスをくれる感覚です。
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たくさんの情報をまとめるのが得意:ネットや本の情報をわかりやすくまとめてくれることもできます。調べ学習やレポート作成にも活用できます。
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誰でも使える手軽さ:スマホやパソコンで簡単に使えるサービスが増えており、特別な知識がなくても利用できます。
でも気をつけたいこともある
便利な生成AIですが、注意すべき点もあります。
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間違ったことを言うことがある:本当っぽいけど事実ではない情報を出すことがあります。必ず信じる前に確認することが大切です。
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人の仕事が減るかもしれない:AIができることが増えると、一部の仕事が少なくなる可能性があります。でも、新しい仕事も生まれているのも事実です。
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個人情報の問題:知らないうちに他人の情報を使ってしまうこともあります。安全に使うためのルールも重要です。
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著作権のトラブル:AIが作ったものに、誰の権利があるのかがはっきりしないことがあります。勝手に使うとトラブルになることも。
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悪用される可能性:偽の画像や文章を作って人をだます使い方もあり、モラルやルールを守る必要があります。
AIが出した答えは、必ず人間がチェックすることが大事です。正しく使えばとても便利な道具ですが、まかせすぎるとトラブルのもとにもなります。
まとめ
生成AIは、「人の代わりに考えて、作ってくれる」新しいタイプの人工知能です。文章、画像、音楽などを自動で作ることができ、学校、仕事、趣味の場面でもどんどん使われています。今ではスマートフォンのアプリやウェブサービスでも手軽に使えるようになっています。
これからの社会でますます身近になる生成AI。メリットとリスクの両方を理解して、上手につきあっていくことが、私たちにとってとても大切になっていきます。
まずは、身近なAIアプリを試してみるところから始めてみましょう。自分で使ってみることで、AIのすごさや注意点がきっともっとよくわかるようになります。未来の技術にふれる第一歩です!